OpenAI Codex CLIのフォークであるOpen Codex CLIでGemini 2.5 Proを使う方法

OpenAI Codex CLIのフォークであるOpen Codex CLIでGemini 2.5 Proを使う方法
はじめに
OpenAI Codex CLIは、ターミナル上で動作する強力なコーディングエージェントですが、OpenAIのモデルのみに対応しています。そこで登場したのが「Open Codex CLI」です。このツールはOpenAI Codex CLIをフォーク(派生)して作られたもので、Google GeminiやOllamaなど複数のAIプロバイダーに対応するように拡張されています。
この記事では、Open Codex CLIをインストールして、特にGemini 2.5 Proを使用する方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
Open Codex CLIとは?
Open Codex CLIは、元のOpenAI Codex CLIの基本機能を維持しながら、以下の機能を追加した拡張版です:
- 複数のAIプロバイダー対応(Google Gemini、OpenAI、OpenRouter、Ollamaなど)
- より柔軟な設定オプション
- 同じインターフェースで異なるモデルを切り替え可能
特にGemini 2.5 Proは100万トークンという大規模なコンテキストウィンドウを持ち、コードベース全体を理解・分析できるため、コーディングエージェントと相性が良いとされています。
準備するもの
- Google Cloud アカウント(Gemini APIキー取得用)
- ターミナルの基本的な操作知識
- Node.js(バージョン22以上推奨)
インストール手順
1. Open Codex CLIのインストール
まず、npmを使ってOpen Codex CLIをグローバルにインストールします:
npm install -g open-codex
インストールが完了したら、以下のコマンドで正しくインストールされたか確認できます:
open-codex --version
2. Gemini APIキーの取得
Gemini 2.5 Proを使うには、Google AIのAPIキーが必要です。
- Google AI Studio(https://aistudio.google.com/)にアクセス
- アカウントにログイン
- 「APIキー」セクションに移動
- 「APIキーを作成」をクリック
- 生成されたAPIキーをコピー(安全な場所に保存してください)
3. 設定方法
Open Codex CLIでGemini 2.5 Proを使うには、主に2つの方法があります:
方法1:コマンドラインオプションを使用
毎回使用時にプロバイダーとAPIキーを指定する方法です:
open-codex --provider=gemini "コードを生成してほしい内容"
特定のGeminiモデルを指定する場合:
open-codex --provider=gemini --model=gemini-2.5-pro-preview-03-25 "コードを生成してほしい内容"
方法2:設定ファイルを使用(推奨)
より便利な方法として、設定ファイルを作成することができます。ホームディレクトリに以下のファイルを作成します:
# Macの場合
mkdir -p ~/.codex/
touch ~/.codex/config.json
# Windowsの場合
mkdir -p %USERPROFILE%\.codex\.config
type nul > %USERPROFILE%\.codex\.config
そして、設定ファイルに以下の内容を記述します:
{
"provider": "gemini",
"model": "gemini-2.5-pro-preview-03-25",
"apiKey": "あなたのGemini APIキー",
"approvalMode": "auto-edit"
}
設定ファイルを作成すると、以下のように簡単にOpen Codex CLIを使えるようになります:
open-codex "シンプルなTodoアプリを作成して"
基本的な使い方
シンプルな例:HTMLファイルの作成
mkdir my-project
cd my-project
open-codex "シンプルなHTMLファイルを作成して、中央にタイトルと簡単な説明を表示させてください"
複雑な例:プロジェクトの理解と修正
既存のコードディレクトリに移動して:
cd 既存プロジェクト
open-codex "このプロジェクトの構造を教えて、そして一番大きな問題点を特定して修正してください"
動作モード
Open Codex CLIには、元のOpenAI Codex CLIと同様に3つの動作モードがあります:
- Suggestモード:変更を提案するだけで実行はしません(デフォルト)
- Auto Editモード:ファイル編集は自動で行いますが、コマンド実行には承認が必要
- Full Autoモード:すべての操作を自動で行います(セキュリティ対策あり)
設定ファイルでapprovalMode
パラメータを変更するか、コマンドラインで--approval-mode
オプションを使って設定できます。
Gemini 2.5 Proの強み
Gemini 2.5 Proを使うメリットとして:
- 大規模コンテキスト:100万トークンのコンテキストウィンドウで大規模プロジェクトも理解可能
- コード理解力:複雑なコードベースの分析に優れている
- マルチモーダルサポート:画像からコードを生成する能力
- コスト効率:多くの場合、同等のOpenAIモデルよりコストが低い
トラブルシューティング
APIキーが認識されない場合
環境変数として設定することもできます:
# Macの場合
export GOOGLE_GENERATIVE_AI_API_KEY="<<Gemini API Key>>"
# Windowsの場合
set GOOGLE_GENERATIVE_AI_API_KEY="<<Gemini API Key>>"
接続エラーが発生する場合
ネットワーク設定やプロキシの確認、また最新バージョンへの更新を試してください:
npm update -g open-codex
まとめ
Open Codex CLIとGemini 2.5 Proの組み合わせは、強力なコーディング支援ツールとなります。複数のAIプロバイダーに対応することで、自分の用途や予算に合わせて最適なモデルを選択できる柔軟性を提供します。
特にGemini 2.5 Proの100万トークンという大きなコンテキストウィンドウは、大規模プロジェクトの理解や複雑なコード分析に適しています。ターミナルから直接AIパワーを活用できるこのツールで、開発効率を大幅に向上させましょう。